皆さん、こんにちは!
今回は、テナント編です!
テナントの場合
建物の場所、形状、規模、同フロア(上下階)テナント、所有者(オーナー)、築年数、フロア高さ、インフラ設備など
それぞれ異なることから、同じ物件はありません(似たような物件はありますが)。
そのため、テナント探しにおいて注意しておきたい点はたくさんあります。
今回は大きく下記の項目に分けて、注意事項をご紹介していきたいと思います。
①給排水の位置
②電気容量
③工事区分
④防火対象物の用途区分(消防用途)
⑤不動産会社(仲介会社・管理会社)
①給排水の位置
原則クリニックは水回りが必要不可欠です。
シンク(流し台)、手洗い、洗面、トイレ、汚物流し、洗濯機、洗浄機など
水を出す給水は圧力をかけて行うため、希望の場所に水を出すことは可能です。
ここで重要なのが、排水です!
水を流す排水は重力に逆らうことが出来ないため、勾配を行い排水管に接続します。
シンクや手洗いなどの排水は固形物が比較的少ないため、配管が詰まることが少ないです。
トイレや汚物流しなど固形物を流す水回りは、配管が詰まることがあります。
そのため、詰まるリスクを回避するために、排水箇所のそばに設置しなくてはなりません。
つまり、トイレ位置は排水箇所により場所が決まります。
現地見学をした時に
排水箇所が1ヵ所なのか?複数あるのか?手前にあるのか?奥にあるのか?など
確認が必要です。排水箇所が重要となり、レイアウトに大きく左右されます。
②電気容量
区画内にブレーカーがありますので、必ず確認をして下さい。
また、その時に開業しどのような医療機器を導入するのか(当初の開業だけでなく将来的)?
が重要です。
既存の電気容量で充足していると良いのですが、不足の場合・・・
最悪、導入することが出来ません。
電気容量を上げることが出来るのか?
そして、上げる方法や上げた際にどれほど費用がかかるのか?
専門業者に確認依頼を行う方が良いです。
電気容量を上げるために予想外の費用がかかる場合があります。
ここで特に電気容量を使用する物を記載致します。
・X線 ・CT ・MRI ・オートクレーブ ・ウォーターベッド
・電子レンジ ・ヒーター ・ドライヤーなど
③工事区分
内装工事を行い際に、工事区分がある場合があります。
工事区分とは、工事を行う業者と工事費用を誰がどこに支払うのか?を明記している物です。
一般的に、A・B・Cの3種類に分かれています。
A工事:ビル本体や共用部、区画の間仕切り、標準的な設備などの工事
B工事:ビル全体(防災設備や空調換気システム、電気容量アップなど)に関わる工事または管理会社が管理、メンテナンスを行いやすくするための工事
C工事:テナント区画内の内装工事
工事業者と費用負担は下記のようになります。
【工事業者】
A工事→オーナー指定業者
B工事→オーナー指定業者
C工事→テナント指定業者
【費用負担】
A工事→オーナー
B工事→テナント
C工事→テナント
ここで重要なのが、B工事です。
工事はオーナー指定業者が行い、費用負担はテナントとなります。
仮にB工事業者とC工事業者が同じ内容の工事を行ったとしたら、B工事業者の方が工事金額が高くなることが多いです(倍以上になることもあります)。
工事区分がある建物を選ぶ際は工事費用が高くなることが多いため、注意が必要です。
④防火対象物の用途区分(消防用途)
建物にはそれぞれ、防火対象物の用途区分が決まっております。
建物にどうのような業種が入っているのか?を見分けるための区分となります。
ポイントとして重要なのが
建物を利用する人が特定者(住民や事務所、塾に通う人など)なのか?
不特定多数(誰でも可能)なのか?です。
クリニックは不特定多数の方が利用する施設となります。
そのため、事務所だけの事務所ビルや特定者が利用する建物を選ぶ際は注意が必要です。
クリニックが入居することにより、建物を利用する人が不特定多数となり、ビルの用途区分を変更しなくてはならない場合があります(面積比で判断)。
用途区分の変更に際し、防災設備の基準が高くなり、建物全体に新規で設置をしなくてはいけない設備が出てきます。
建物全体に関係するため、費用負担を誰が行うのか?
また、設備工事が高額となり、オーナーがクリニックの入居を不可と決断する場合があります。
⑤不動産会社(仲介会社・管理会社)
上記で示した4項目を仲介会社や管理会社は知らないことが多いです。
そのため、テナント契約を行った後に発覚し
余分な金額負担を行ったり、テナント契約が解約となりスケジュールが一からやり直しになってしまったり
などと色々と問題になったと聞いたことがあります。
最後に、先生が希望する、気になる物件がありましたら、専門業者に同席をお願いし、調査依頼を行う方が良いです!!!