ビル診(テナント)開業の注意点【その1】

先生がクリニック開業を行う場合「戸建て開業」または「ビル診(テナント)開業」
の2つに分かれて開業することになるかと思います。

(継承開業除く)

今回は、ビル診開業のチェックポイントについてシリーズ化として記載致します。

初回はテナントの形態です!
テナント物件を借りる際、大きく分けて3つの種類があります。

1.スケルトン 2.事務所仕様 3.居抜き

違いは、

1.スケルトン

コンクリート剝き出しで、何も無い状態を言います。

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2.事務所仕様

机と椅子と電話などを設置すると事務所として活動ができる状態を言います。

そのため、壁・床・天井・空調・照明・トイレ・給湯室などがあります。

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3.居抜き

以前クリニックだった物件で、内装や間仕切りは以前のままの状態を言います。

このまま、クリニックとして開業することも可能です。

 

★チェックポイント~費用~

一般的に、内装費用が低い順番として、居抜き→事務所仕様→スケルトンとなります。

しかし、居抜きや事務所仕様にて、落とし穴がある場合があります。

既存設備の老朽化や壁の新設や位置変更などにて、既存設備の利用が出来ないことがあります。

この場合、解体・撤去・処分・交換などの費用が発生し、結果的に高くなってしまう場合がありますので注意が必要です。

内見する時に、

既存設備が新しい物なのか?古い物なのか?

利用できそうな物なのか?交換した方が良い物なのか?

確認を行う方が良いです!

もし解らない場合は、専門の業者さんなどに内見の同席をお願いする方が良いです!!!

 

 

ビル診(テナント)開業の注意点【その2】

ドクターが開業する際に、一般的にコストが大きくなる部分として

「内装工事」と「医療機器」の2種類があります!

内装工事となる、ビル診開業のチェックポイント~その2~として

工事金額が高くなりそうなテナントを記載致します。

ご参考にして頂きますと幸いです!

 

★工事時間

夜間工事の縛りがある場合、人件費が高くなるため、工事金額が高くなります。

 

★工事区分

テナント工事を行う際に下記の工事区分があることがあります。

A(甲)工事・B(乙)工事・C(丙)工事。

違いは、施工会社と費用負担者となります。

A工事:費用負担→オーナー ・工事会社→オーナー指定会社

B工事:費用負担→テナント(施主) ・工事会社→オーナー指定会社

C工事:費用負担→テナント(施主) ・工事会社→テナント(施主)指定会社

テナント負担としては、B工事とC工事となります。つまり、1つのテナントで2つの工事契約が必要となります。

B工事とは、工事の際にビル全体に関係する工事内容の場合に発生することが多いです。主に、防災設備工事や空調設備工事などです。

B工事の費用は、相場の工事より高くなることが多いです。

そのため、内装費用が高くなりやすく注意が必要です。

B工事が発生しやすいテナントは、商業施設・駅ビル・大型(中型)オフィスビルなどです。

 

★駅前ロータリーやバス通り、幹線道路

レアケースかもしれませんが、資材の搬出入や空調機の室外機などにてクレーンを使用する場合、行政への道路許可やガードマンを求められる場合があります。諸経費や人件費が別途発生することになります。

 

今回ご紹介いたしました3つは、特に注意をした方が良い物となます。

しかし、上記以外にもまだまだあります。

お気に入りのテナントが見つかった場合、すぐ契約をするのではなく、専門の業者さんなどに内見をお願いする方が良いです!!!

ビル診(テナント)開業の注意点【その3】

ビル診開業のチェックポイント~その3~は

お選びになる物件によっては、大きな落とし穴となります

「建物の防災設備基準」です!

 

近年、防災設備基準が高まってきています。

物件を選ぶ際、建物の他のフロアやテナント構成も注目した方が良いです。

・オフィス系が多いのか?

・店舗系が多いのか?

・飲食系が多いのか?

・住居系が多いのか?

理由として、建物を利用する人により、防災設備の設備基準が異なるためです!

ご開業希望のテナントが、

オフィス(事務所)や住居のような、特定者が利用するテナントが多い場合、注意が必要です。

クリニックが入居することにより、

不特定多数の方が利用する建物とみなされ、防災設備の設置基準が高くなる場合があります。

しかも、設備基準が建物全体にまで影響する場合があり、導入コストが非常に高額となる場合があります。

その場合、費用負担を誰が行うのか?

先生? 物件オーナー?? 各テナント???

また、他のテナントの業務への影響などもあり、物件契約が出来ないことに繋がる可能性もあります。

防災設備の設置基準の判断は管轄の消防署となります。

消防署から設置義務を求められた場合は対応しなくてはなりません。

防災設備は専門家でないと解らないことが多いため、物件内見の時に同席をお願いすると良いと思います。

確認前に物件契約を行うのだけは避けて下さい。

 

下記に一部ではありますが、防災設備をご紹介致します。

事例1 避難用緩降機(ORIRO)

避難用緩降機(ORIRO)

事例2 避難はしご

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事例3 救助袋

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事例4 不燃材料

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事例5 スプリンクラー

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上記の他に、非常放送設備、消防への通報装置、非常時のバックアップ用電源などがあります。

 

 

 

火災報知機の選定

新規でリハビリ室を開設する場合のよくある失敗から

一般的な外来患者様中心のリハビリを行う場合、機器についてはマッサージ器、牽引器、温熱治療器、低周波治療器を複数台置く事が一般的で、今回は特にその中でも温熱治療器の代表格マイクロ波治療器での失敗についてお話を致します。

マイクロ波治療器の原理は基本的に電子レンジと同じ、電磁波を使用して温熱効果を上げる器械です。電磁波を利用するため、精密機器への影響がでる場合があり、特にリハビリ室の火災報知器の誤動作が起こるケースがあります。火災報知器には煙探知式、熱感応式の2種類がありますが、煙探知式の火災報知機に誤動作が多く出ますので、今からリハビリ室を作る場合、火災報知機は熱感応式にしたほうが安心して機器をご使用できます。

火災報知機